ドラマ・クロカイブ

AllAboutドラマガイドが書ききれなかったことをつづります。

連続テレビ小説

朝ドラ2001〜2005:パターンを自覚してそれを極める

21世紀に入っての第一作は『ちゅらさん』。大人気で続編が三作もつくられましたが後の作品へ与えた影響も大きい。 まずは家族観。離婚の『ふたりっ子』、シングルマザーの『わたしの青空』、アラフィフに至る最終回まで独身の『オードリー』と新しい家族の形…

朝ドラ1996〜2000:現代的要素を取り入れて方向転換完了

『青春家族』で現代路線の方向性が出ながら、なかなか変われなかった朝ドラ。ようやく方向転換できたのは1996年『ひまわり』『ふたりっ子』の連続ヒットから。 要因は脚本家の若返り。これまではベテランから中堅どころが担当していました。しかし上期『ひま…

朝ドラ1989〜1995:変わる方向性は出ているがなかなか変われない

988年の『ノンちゃんの夢』『純ちゃんの応援歌』で時代設定を新しくしてきましたが、ストーリー展開としては昔ながら。 現代的になったのは翌1989年、平成第一作の『青春家族』から。キャリアウーマンで不倫を疑われたりする母(いしだあゆみ)と結婚式を当日…

朝ドラ1984〜1988:好調は持続しているが変わらなくてはいけない

『おしん』でヒロイン一代記パターンが一つの頂点を極めてしまったので、変わらなくてはいけない。 そこで翌84年度は上期『ロマンス』下期『心はいつもラムネ色』、ともに男性主人公。朝ドラで男性主人公は視聴者が共感しにくく難しいのですが、『おしん』の…

朝ドラ1983:時代が最高視聴率を生んだのか

朝ドラのみならず連続ドラマ平均視聴率で歴代最高の『おしん』。 半年放送になってから明るい路線が続きましたが、その中で『おしん』のシリアスさは異色です。 雰囲気としては『繭子ひとり』『藍より青く』『北の家族』あたりに似ていて、一年放送時代の先…

第二次将棋ドラマ黄金時代はちょっと違う

4/18放送の『緊急取調室』と4/24放送の『特捜9』のテレ朝刑事ドラマで相次いで将棋界が舞台になりました。モデルになったのは、『緊急取調室』はニコニコ動画のドワンゴが叡王戦を主催するなど新スポンサーが相次いでいること、『特捜9』は将棋ソフト不正使…

2巡目に入った朝ドラ主題歌

『まんぷく』のオープニング、歌や映像が嫌いという話題。なんでも好き嫌いはあるからそれはしょうがない。 news.nifty.com そういえば、92年『ひらり』主題歌「晴れたらいいね」でも嫌い、日本語としておかしいという意見がよくありました。歴史は繰り返す…

ドラマを制作して出世できるか

ちょっと前になりますが10月4日の『徹子の部屋』ゲストは藤田弓子。この中で朝ドラ『マー姉ちゃん』のキャスト・スタッフが集まる会がまだ続いているといっていました。問題はその幹事で当時はAD、現在はNHKのえらい人「社長クラス」になっている、というこ…

朝ドラ記念作は大ヒットした『おしん』の方が例外

www.cyzo.com『まんぷく』が調子いいと連続テレビ小説100作記念作である次回作『なつぞら』の方が視聴率が悪かったらどうする、という記事。心配なようなので過去の記念作の前作との視聴率差を調べてみました。「記念作」の調査ソースはWikipediaで「記念」…

CBCスペシャルドラマがなければ『半分、青い。』もなかった?

TBS系10月6日(土)14時からCBCのスペシャルドラマ『それでも恋する』が放送されます。例年10月ごろ、土曜の昼下がりに放送されるCBC中部日本放送のスペシャルドラマ。新作放送を期に分かる範囲でまとめてみました。 hicbc.com 単発時代の東芝日曜劇場で昔は東…

『半分、青い。』と向田邦子コンプレックス

『半分、青い。』見終わってしみじみ「やはり女性脚本家が自分をモデルにしないほうがいい」というのを再確認しました。 このことは news.livedoor.com で放送中早い段階で話題になっていましたが、たぶん大元の発信源はオレだ。2000年の『オードリー』の頃…

『半分、青い。』『高嶺の花』は芸術と生活が対立

芥川賞作家・磯崎憲一郎が朝日新聞に月イチで担当している文芸時評、8月分の枕で『半分、青い。』について「憤りに近い違和感」を持っていると書いています。 www.asahi.com 理由は「芸術が日常生活を脅かすものとして描かれている」こと。具体的には 漫画家…

『半分、青い。』岐阜カツ丼の多様性がつくし食堂を救った

『半分、青い。』を見ていて不満だったのが岐阜らしさが少ないこと。ことばと五平餅ぐらいで、それ以外はどこかの山の町という感じ。 理由はたぶん岐阜県出身の北川悦吏子が脚本を書いているから。自分の地元は当たり前過ぎて新しい発見はしにくい。『あまち…

野島伸司は『てるてる家族』を見たか

日本テレビ系水曜ドラマ『高嶺の花』、主題歌がプレスリーの「ラブ・ミー・テンダー」で第一話劇中でも直人(峯田和伸)がカラオケで歌い、もも(石原さとみ)が「あっ、この歌好き」とのセリフがありました。石原さとみ、そりゃ「ラブ・ミー・テンダー」好きだ…

『カーネーション』夕方に再放送

NHKのBSプレミアム。朝ドラと大河の再放送枠、4月からのラインナップが公開されました。 月〜土7:15からの朝ドラ再放送は2014年秋から放送された『マッサン』。現在は2014年春からの『花子とアン』なので本放送順通り。 日曜12時からの大河ドラマ再放送は『…

『てるてる家族』が冬季五輪に与えた影響

平昌オリンピックも終盤ですが、フィギュアスケート女子日本代表の二人が『てるてる家族』つながりがあることに気が付きました。 坂本花織は『てるてる家族』の長女・春子(紺野まひる)がフィギュアをするのにあこがれて。そのまんまでドラマを見たのがフィギ…

『ひよっこ』岡田恵和の立てこもり

『ひよっこ』で倒産した向島電機、最後の大きな事件は兼平豊子(藤野涼子)の立てこもり。岡田恵和脚本は立てこもりが好きで、朝ドラの前作『おひさま』でもありました。 真知子(マイコ)は「安曇野の帝王」と呼ばれる資産家の父親(平泉成)の命で卒業後は許嫁と…

朝ドラのNHK大阪制作の始まりは東京五輪から

NHK東京とNHK大阪 朝ドラを制作するのはNHK東京とNHK大阪。基本は上半期が東京、下半期が大阪。放送期間一年時代は基本・東京制作で、最初に大阪制作になったのは64年の『うず潮』。理由は東京オリンピックの年で、NHK東京に余力がなかったため。 その後、大…

なぜ放送期間が一年から半年になったのか?

なぜ放送期間が一年から半年になったのか? これについては当時のドラマ部長・川口幹夫(プロデューサとして紅白歌合戦の育ての親といわれ、1991〜1997年NHK会長)が著書「主役・脇役・湧かせ役」で触れています。 要約すると、1日15分週6回を一年だと分量だけ…

『よーいドン』にはモデルがあった?

「朝ドラヒロインの高齢問題」で それから1982年の『よーいドン』みお(藤吉久美子)は推定70才前後。 とぼやかしてかいたので、ハッキリしたことを確認したくてNHKアーカイブスで第一週と最終週を見てみました。結果、初回が昭和二年で高等女学校の三年生、最…

朝ドラ1975〜1982:実在のモデルが多いのが現代に通じる

放送期間が半年になり4〜9月の上半期がNHK東京、10〜3月の下半期がNHK大阪という現在まで続くかたちに。 半年化初年度の『水色の時』『おはようさん』は現代もの。 つづく『雲のじゅうたん』は大正時代スタートの本格的一代記パターン。明るく前向きキャラも…

朝ドラ1968〜1974:一つの頂点だがあまり残ってないのがおしい

1968年にNHKの受信契約がラジオ契約を廃してカラー契約を新設。これに同期して朝ドラも『あしたこそ』から放送が白黒からカラーに。カラー放送は1960年に始まっていますが、このころからカラー番組が増えて普及を後押し。時代設定として戦中から戦後の困難を…

朝ドラ1961〜1967:パターンを模索した白黒時代

朝ドラの源流といわれているのは三つあります。 『バス通り裏』(1958〜1963)。『7時のニュース』の後の平日19:15から15分の帯ドラマで高校教師の家と隣の美容室を主な舞台にしたホームドラマです。 テレビ時代より前には主流だったラジオで放送されていた連…

朝ドラヒロインの高齢問題

『とと姉ちゃん』の結末は1988年(昭和63年)まで。昭和64年は7日間しかなかったので昭和最後の一年で終わったということでしょう。 小橋常子(高畑充希)は1920年生まれなので結末時点で68才。年の表現はほとんど白髪の量だけで、元気に走り回ってました。ドラ…

朝ドラ:連続テレビ小説の歴史

ブログの取っ掛かりとして連続テレビ小説、略称:朝ドラの歴史について書いてみましょう。50年以上続き『べっぴんさん』が95作目。100作目も順調にいけば2019年春と射程距離に入ってきました。 しかし「連続テレビ小説の歴史」となると多くは作品リストをあ…