朝ドラヒロインの高齢問題
『とと姉ちゃん』の結末は1988年(昭和63年)まで。昭和64年は7日間しかなかったので昭和最後の一年で終わったということでしょう。
小橋常子(高畑充希)は1920年生まれなので結末時点で68才。年の表現はほとんど白髪の量だけで、元気に走り回ってました。ドラマの序盤では髪だけ白い祖母・青柳滝子(大地真央)が話題になりましたが、孫も似たようなもんだ。
コントかよ
昔の朝ドラに対しての定番批判の一つに「年取ったヒロインを若い女優が演じていてコントか!」というものがありました。代表はやはり『おはなはん』でしょうか。モデルの林ハナは1882年生まれ。『おはなはん』の最後ははな(樫山文枝)が朝ドラ『おはなはん』の初回を見るところで終わっているので、1966年の84才まで描いています。
それから1982年の『よーいドン』みお(藤吉久美子)は推定70才前後。
しかし『よーいドン』の次の1983年『おしん』では田中裕子が演じたのは45才まで、50才からは乙羽信子に交代。これ以降は現代ものが増えていくのもあわせて、若い女優が高齢まで演じることはなくなり、高齢まで描く場合には『すずらん』倍賞千恵子のようにベテラン女優にリレーするようになりました。
高齢化
ところが2011年の『ゲゲゲの女房』以降、一代記パターンが主流に返り咲くとまた変わってきます。『おひさま』若尾文子、『カーネーション』夏木マリはリレーパターンですが若手女優が50才以上を演じるパターンが復活します。
2011年以降で若手女優が演じるヒロインが50才以上まで演じた場合をピックアップすると
- 『ゲゲゲの女房』布美枝(松下奈緒)54才
- 『カーネーション』糸子(尾野真千子)60才
- 『花子とアン』花子(吉高由里子)59才
- 『マッサン』エリー(シャーロット・ケイト・フォックス)64才
- 『あさが来た』あさ(波瑠)60才
- 『とと姉ちゃん』常子(高畑充希)68才
と高齢化の傾向さえ見えます。地デジで画面が高精細化し、条件は厳しくなったはずなのに。
『べっぴんさん』のモデル・坂野惇子は享年87才。どこまで描くのでしょうか。