ドラマ・クロカイブ

AllAboutドラマガイドが書ききれなかったことをつづります。

知られてないけどおもしろいTBS月曜20時のミステリー連ドラ

BS-TBS平日17時台のドラマ再放送『浪花少年探偵団』(2012年7〜9月)、おもしろいので見返してます。TVerでも。

tver.jp

主演は前年に『デカワンコ』でコメディエンヌとしての才能を見せた多部未華子
少年探偵団員はまえだまえだの前田航基・旺志郎兄弟に濱田龍臣、高橋晃(塚地武雅版『裸の大将放浪記』で山下清少年時代役)。
同級生の女の子は学級委員長が八木優希、コメディ担当が二宮星の前年度朝ドラ『おひさま』『カーネーション』のヒロイン少女時代役コンビに、東宝シンデレラ入賞でデビューした浜辺美波がマドンナ役と興味深いメンバーがそろってます。

放送されたのはTBS月曜20時のパナソニックスポンサー枠。『水戸黄門』末期には佐々木蔵之介主演の『ハンチョウ』シリーズと交互放送でしたが、2011年に『水戸黄門』終了ですべてミステリーの枠に。『浪花少年探偵団』が東野圭吾原作など、人気ミステリー作家原作でいいドラマが多かった。しかし20時台で視聴率も高くなく、『水戸黄門』終了後、3年ちょっとしか続かなかったので、あまり知られていないのが惜しい。ここで紹介しておきます。

『確証〜警視庁捜査3課』(2013年4〜6月)

今野敏原作。
刑事ドラマでは殺人・強盗事件が担当の捜査1課が花形で、詐欺横領の2課、窃盗の3課、暴力団の4課などはあまりメインにはなりません。
ベテラン刑事(高橋克実)と所轄から3課に配属された若手女性刑事(榮倉奈々)のバディもの。金庫破り、空き巣、スリ、自動車盗難など実例盛りだくさんで、おもしろくてためになります。

同じような趣向では、2018年日本テレビの『ドロ刑-警視庁捜査三課-』がありました。三課のダメ刑事(中島健人)が謎の男(遠藤憲一)のアドバイスで活躍するが、謎の男の正体は伝説の大泥棒だったというもの。これも、そこそこ面白かったと思うのですが、やはり地味なのか視聴率は伸びず。

 

 

名もなき毒』(2013年7〜9月)『ペテロの葬列』(2014年7〜9月)

宮部みゆきの杉村三郎シリーズが原作。
児童書の編集者だった杉村三郎(小泉孝太郎)は結婚相手の菜穂子(国仲涼子)が大企業グループ会長(平幹二朗)の愛人の娘だったことからそのグループ会社の広報誌編集者になり、その企業がらみの事件にかかわることに。
テーマは第一作タイトルにもある、人の持つ毒。特に『ペテロの葬列』で、左遷されて広報誌編集部にやってきた井出が振りまく悪意が印象的。演じた千葉哲也、演出家としても評価されている舞台メインの俳優で、いつかブレイクするだろうと思ってます。

個人的に塚原あゆ子演出が気になり出したのも、『名もなき毒』及び、同じ年の『夜行観覧車』を見てから。小泉孝太郎が親の七光りを脱してちゃんとした俳優になったな、というのもこのあたりだと思います。
『ペテロの葬列』の最後で離婚して広報誌編集部も辞めて、シリーズ終了。ただ原作が尽きたという面もありました。その後、杉村が本業の探偵になった後の中短編集が二冊出版されているので、ドラマの続編も見たいところ。

 

『隠蔽捜査』(2014年1〜3月)

こちらも今野敏原作。
警察庁のキャリア竜崎伸也(杉本哲太)は謹厳実直な性格のため、息子の犯罪をもみ消さず、所轄の署長に左遷される。それでも警察官としての原理原則を外すことなく、幼馴染の伊丹刑事部長(古田新太)と協力し捜査を陣頭指揮。警察不祥事を隠蔽する動きに立ち向かいます。
内容も面白いけど、見ものは『あまちゃん』(2013年4〜9月)直後だからできた杉本哲太古田新太のダブル主演。他にもライバルは生瀬勝久、現場で活躍する刑事は安田顕など、おっさん率がめちゃ高い。枯れ専に特におすすめ。