ドラマ・クロカイブ

AllAboutドラマガイドが書ききれなかったことをつづります。

『ちむどんどん』最終回の大ワープは朝ドラ史上最長か

最後までツッコミどころ満載だった『ちむどんどん』。最終回の大きなツッコミどころは、歌子(上白石萌歌)が生死を彷徨っている1985年から202X年に大ワープする展開からの暢子(黒島結菜)を筆頭に主要登場人物がコントレベルの老けメイク。「『カムカムエブリバディ』を超える大ワープ」「ドリフへのオマージュか」といわれています。

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最終回だけ時間がとんでヒロインが老けメイクになるのはレジェンド『おはなはん』以来の伝統芸。ただ、これまでは本筋がほとんど終わった上で、最後のまとめとしての老境。生死不明状態でのワープなんて聞いたことがない。

老けメイクについては以前、書いてます。

dramakuro.hatenablog.jp

 

今回の大ワープ、手近なところで『カムカム』と比較されていますが、過去最長を争うライバルは藤吉久美子主演の『よーいドン』。

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1947年、夫(曾我廼家文童)が復員してきたところで本筋は終わって、最終回は放送リアルタイムの1983年。なのでワープ期間36年。

以前、調べました。

dramakuro.hatenablog.jp

『ちむどんどん』の場合、「やんばるちむどんどん」開店は1985年(202X年、店の黒板に書いてある)。202X年は制作発表段階から「1972年の沖縄返還からの50年」を描くといっているので2022年でしょう。
ぼやかしているのはコロナ禍により「マスクしてない」とか、最終回放送時点の蔓延状況によっては「千葉から沖縄にくるな」とかいわれるのを回避するためではないかと。
前作『カムカム』その前『おかえりモネ』は最後を未来にすることで対策してました。こちらは50年縛りのため、はっきり未来の年にするわけにはいかなかったので202X年ではないかと。

それで1985年から2022年だとワープ期間37年。『よーいドン』越えです。

終戦直後から放送リアルタイムに飛べば、終戦から遠くなるごとに長いワープ期間を取れそうなものです。しかしその後の80年代は記憶に新しいためかそのパターンはなく、90年代に入ると現代ものが主流になったため、またなくなりました。

ゲゲゲの女房』以降、一代記ものが復活した後には『おひさま』があります。本筋は1953年までで最後は2011年と驚異の半世紀越え。ただヒロインが井上真央から若尾文子に変わっていて、さらに最初から老境のヒロインが人生を振り返る形式だったため、突然ワープしたのとは違いましたね。

 

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