ドラマ・クロカイブ

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人生100年時代でも若い朝ドラヒロイン女優は60才が限界

最終週にようやくアニー・ヒラカワ(森山良子)が安子だったことが明らかになった『カムカムエブリバディ』。

そこがはっきりしなかったため、上白石萌音待望論が長く続きました。個人的には「若い朝ドラヒロイン女優が演じられるのは60才が限界」説を採用しているので、ひなたが条映映画村に勤めて新人ではなくなったあたりで、安子が再登場しても女優は変わっているだろう、と予想していました。

 

(以下の年令は公式にわからない場合は終了年マイナス生年で計算しています)

ヒロインが高年齢になるまで描かれた最初の朝ドラは一代記パターンが主流になるきっかけをつくった『おはなはん』からで81才、樫山文枝が最後まで演じました。ただし、老境になったヒロインがドラマ『おはなはん』を見るというもので、最終回だけ年をとっています。
『いちばん星』もモデルである佐藤千夜子の享年と同じ71才。詳細わかりませんが、歌手活動状況を考えると最終回で年をとっているんじゃないかと思います。
『よーいドン』もメインのはなしは戦後、夫が復員してきたところで終わり。最終回だけドラマ放送時点にとんで72才。

おしん』で初の主役リレー。田中裕子が演じたのは46才まで。50才から乙羽信子に替わり83才まで。

1982年の『よーいドン』と1983年の『おしん』を連続して見たこと、それにテレビが大画面に、クリアに写るように進歩してきたことで、若いヒロインが老人を演じるという無理なシーンはもうないんじゃないかと思いました。実際、現代ものが増えたこともありしばらくありません。

復活してきたのは一代記ものが主流に返り咲いた『ゲゲゲの女房』以降。
それ以降で若い主演女優が演じた最高齢は『とと姉ちゃん』で68才。ただし、最終回だけパターンでメインストーリーは55才まで。。
次が『あさが来た』で最終回だけ62才、メインストーリーは56才。

最終回だけとばない最高齢は『カーネーション』で尾野真千子が演じたのは60才まで。次が『花子とアン』の59才。

だから60歳限界説です。

ちなみに男性主人公の場合は、夫婦ものになりちょっと違います。『マッサン』はエリー(シャーロット・ケイト・フォックス)が64才でなくなり、そこから10年後の授賞式で亀山政春(玉山鉄二)77才まで。『エール』も裕一(窪田正孝)68才、音(二階堂ふみ)65才。

若い女優でなければ、最年長ヒロインの深津絵里はるい81才でまだまだ元気。単独ヒロインとして最年長の『芋たこなんきん藤山直美は町子78才まで行きます。


アニー・ヒラカワで違和感があったのは役としての年令。「サムライベースボール」でキャスティングディレクターとして仕事をしていたのが70代後半。ハリウッドでバリバリ仕事しているにはちょっと高齢すぎる印象。実際、キャスティングディレクターとしてのモデルである奈良橋陽子は20才以上若い。

ただ最終回で100才になったのを見ると、「人生100年時代」を先取りして、年を取っても働けるということを描きたかったんじゃないかと思います。限界ラインの60才に到達したひなた(川栄李奈)も初恋の人とわかったビリー(城田優)と何かが始まりそうだし。