ドラマ・クロカイブ

AllAboutドラマガイドが書ききれなかったことをつづります。

NHK名古屋の最終作?が『阿佐ヶ谷姉妹ののほほんふたり暮らし』ってどうよ

昨年末にNHKが名古屋局のドラマ制作を終了するという報道がありました。

www.yomiuri.co.jp

その後、NHKから『ガッテン!』など個別の番組の終了発表はありましたが、名古屋ドラマについては未だなし。どうなんだろう、と思ってたけどようやく終了のニュースを受けた記事が出てきた。

realsound.jp

近年のNHK名古屋ドラマ制作というとメインはドラマ10枠で年度に一作ペース。だいたい1月スタート。2014年度から順に『全力離婚相談』『愛おしくて』『マチ工場のオンナ』『トクサツガガガ』『ハムラアキラ』『ドリームチーム』。
2021年度はまだないので1月から始まるのかなと思ったけど、NHK東京+共同テレビによる『しもべえ』でした。
ドラマ10以外に、よるドラ枠で2020年『彼女が成仏できない理由』、2021年『阿佐ヶ谷姉妹ののほほんふたり暮らし』が名古屋制作だったのが、今年度ドラマ10がないかわりなのかもしれません。

最初の記事に書かれていたNHK名古屋ドラマ終了の理由は「東京や大阪と違い、出演俳優にわざわざ名古屋に来てもらって撮影するのは非効率」。
NHKで東京以外でドラマ制作していたのは大阪と名古屋。NHK大阪だと在関西の俳優以外にも落語家など芸人、狂言など伝統芸能系、その他タレントの人材豊富。NHK名古屋圏内は、いなくはないけど少ないということか。

 

そんななか、NHK名古屋を代表する俳優といえば、名古屋弁が有名な山田昌。NHK名古屋放送劇団に入団したのが1949年。NHK名古屋がテレビ放送を開始したのが1954年で、その前のラジオ時代から。ちなみにNHK放送劇団、東京で黒柳徹子がデビューしたのが有名です。

www2.nhk.or.jp

それはともかく山田昌、『中学生日記』の校長先生など地道に活動していましたが、メジャーブレイクしたのは1981年、銀河テレビ小説『祈願満願』の主演から。この頃の銀河テレビ小説は月〜金の21:40からの20分という帯ドラマで、今の感覚では深夜ドラマの雰囲気。それだけに普通ゴールデンタイムでは主演しなさそうな俳優がメインで出てきがちです。その中でも山田昌放送当時51才の初主演は衝撃的でした。
この後、銀河テレビ小説でさらに二作主演するなど名古屋を代表する女優に。東海テレビ『名古屋嫁入り物語』シリーズでは他は変わっても植木等・山田昌の両親だけは全10作変わらない人気でした。

山田昌がNHK名古屋ドラマに近年出演したのは、真矢みきが弁護士を演じた『全力離婚相談』(2015)の最終話ゲスト。実際に夫である天野鎮雄と夫婦役共演というスペシャル感があり、年齢的に最後のNHK名古屋ドラマかな、としみじみ見ました。実際、このあと出演していません。

NHK名古屋以外での出演は続き、2016年の大河『真田丸』で秀吉の母・大政所を。昨年も愛知県知事リコール事件を扱った東海テレビ制作ドキュメンタリーのナレーションを務めており現役続行中、お元気でなにより。

www.tokai-tv.com

NHK名古屋は『全力離婚相談』以降、東海、愛知、名古屋風味が弱くなったような気がします。『トクサツガガガ』など名古屋を中心にロケしているんだけど、舞台は東京設定の作品が目立ちます。いまのところ最終作の『阿佐ヶ谷姉妹ののほほんふたり暮らし』は面白いんだけど、NHK名古屋で阿佐ヶ谷が舞台ってどうよ?「東京で作ったほうがいい」という意見もわかります。

地元らしさが地方でドラマを制作するポイントだと思います。