ドラマ・クロカイブ

AllAboutドラマガイドが書ききれなかったことをつづります。

『おちょやん』『おかえりモネ』『カムカムエブリバディ』の話題にならない共通点

あまり話題にならないけど、『おちょやん』『おかえりモネ』『カムカムエブリバディ』の三作連続で出てくるものがあります。それはジャズ。

『おちょやん』では福富の長男、福助(井上拓哉)はトランペット吹き。『おかえりモネ』は中学生時代、ジャズバンドを組む。カムカムエブリバディ』は喫茶「Dippermouth Blues」から大月錠一郎(オダギリジョー)。

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そうこうしているうちに、夕方再放送の『純ちゃんの応援歌』でも妹の恭子が宝塚歌劇団を辞めてジャズ歌手になった。
こうなるとBSプレミアム再放送中の『マー姉ちゃん』でもジャズ要素を見つけたい。音楽担当『ルパン三世』でお馴染み大野雄二がプレイヤーとしてはジャズピアニストということぐらいでしょうか。


過去の朝ドラではどうだったか。三作連続ほど多くはないけど、ジャズが出てくる作品は結構あります。

まず『よーいドン』はヒロインの夫が芝居茶屋の跡取りだけど道楽でジャズトランペットを吹いている。福助と同じですが、これは芝居茶屋から楽器店となり大阪のジャズブームを支え、戦後はうどん屋になった名店「道頓堀今井」が共通の元ネタだから。
わかば』ではヒロインと同じ下宿人を演じているのが綾戸智恵で役もジャズシンガーだった。
純情きらり』はヒロインが東京でジャズピアニストを目指す。
『べっぴんさん』ではヒロインの娘がジャズ喫茶に入り浸り。

全部ではないでしょうが、思い出すだけでこんなにあります。

クラシックとか歌謡曲とか朝ドラで出てくる音楽ジャンルは他にもありますが、これだけ多いのはジャズだけ。

なぜ朝ドラにはジャズなのか。それは日本のジャズ史によるものでしょう。大正時代から昭和初期に盛り上がるけど、太平洋戦争中に敵性音楽として迫害。そして戦後になって復活するという流れは、朝ドラ一代記のよくあるパターンと重なります。

朝ドラとなじみが良すぎるため、三作連続で取り上げられても話題にならないのかもしれません。