やっぱり根強いドラマのクール制
NHKが『エール』を当初予定から10話短縮し、放送終了を2週間前倒して11/28終了、次回作『おちょやん』を11/30にスタートすると発表しました。
で、12月半ばで終わって『おちょやん』は年明けスタートとした予想は外れました。
NHK、少しずつ短縮して数年かけて元の春秋スタートペースに戻していく気なのでしょう。
民放のドラマも、緊急事態宣言により春夏ドラマのペースがグチャグチャになりましたが、調整は終わったようで秋ドラマはほぼ10月スタートに収斂。
例外はフジテレビの月9で、『SUITS2』10/19終了、『監察医 朝顔2』11/2スタートで正月をはさんで続くと発表になっています。『SUITS2』と『監察医朝顔』は当初から長めに放送する予定で、『SUITS2』は1月時点で「月9史上、最長話数」
『監察医朝顔』は3月時点で夏・秋2クール連続放送
といっていました。たぶん、『SUITS2』は五輪前まで続けて、『監察医朝顔』は9月ぐらいにスタート予定だったんでしょう。
『SUITS2』は低視聴率なんだからはやく終了すればいいのに、と思うですが「月9最長」(これまでは全13話で10/19最終回で15話)といってしまったことに縛られて終われなかったんでしょうか。
緊急事態のせいにして予定を変更してもいいような気もしますから、アメリカ側との契約によるものか、それとも織田裕二との関係なのかもしれませんが。どういう理由にしてもフジテレビドラマ、不調の象徴です。
春夏ドラマのペースがグチャグチャになったことから「この際クールごとに一斉に始まって終わるのを見直しては」という論調もありました。
しかし秋にはほぼ元通りになったことでクール制の根強さが示されました。
なぜクールごとに変わるかということについては2008年、木村拓哉主演の月9『CHANGE』の放送期間が5/12〜7/14だったときに考察しています。
考えられる原因として
- 人気俳優の取り合いで長期間の出演契約が難しくなり、サイクルをそろえていた方がスケジュールが取りやすい
- 2クール以上だと視聴率不振の場合は打ち切りになるけど、1クールなら数話短縮で済み傷が浅い
- 企業は四半期単位で動いているのでスポンサー活動がしやすい
- 年末年始/期首改編スペシャルの期間が長くなり、その間やすんでいると忘れられる
- 視聴者の興味が長く続かなくなった
という5つを上げています。
たとえば人気俳優の取り合い。今回、クール制が崩れた結果、田中圭は『アンサング・シンデレラ』が終了しないうちから『キワドい2人-K2-池袋署刑事課神崎・黒木』が始まり、さらに10/31から『先生を消す方程式』が控えている。さらに4月スタート予定だったテレビ東京『らせんの迷宮 -DNA科学捜査-』は始まる気配もないとてんてこ舞い。そのせいなのか関係ないのか田中圭、泥酔して警察に保護されてしまいました。
その他、いまでも通用する理由ばかりです。一つ原因を付け加えると、
- 一斉に始まるとテレビ情報誌などで特集として取り上げてくれる
というのもあるでしょうか。三々五々はじまると話題作はともかくそれ以外はあまりとりあげてもらえないことが考えられます。
ネットドラマだといつでも見られるからいつからでもいいけど、テレビドラマは決められた放送期間内にみられることが重要。その違いでしょうか。