朝ドラ1983:時代が最高視聴率を生んだのか
朝ドラのみならず連続ドラマ平均視聴率で歴代最高の『おしん』。
半年放送になってから明るい路線が続きましたが、その中で『おしん』のシリアスさは異色です。
雰囲気としては『繭子ひとり』『藍より青く』『北の家族』あたりに似ていて、一年放送時代の先祖返りというような感じ。
一番近いのは『鳩子の海』でしょうか。かたや広島の原爆で記憶を失った少女時代の鳩子(斉藤こず恵)が脱走兵(夏八木勲)と出会う、かたや少女時代のおしん(小林綾子)は日露戦争の脱走兵(中村雅俊)に助けられると似ています。全体を通しても戦争を引きずり離婚もする『鳩子の海』、全体に暗め。
連ドラ史上最高視聴率を誇る『おしん』ですが、朝ドラを除く最高視聴率連ドラは『積木くずし・親と子の200日戦争』でこちらも1983年のドラマ。2つ同時に出ているということは1983年は時代が大きく変わった年だったのでしょう。そのあたりのことは
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にかいています。
『おしん』をピークにして、この後は朝ドラの視聴率は長期低落傾向。反転上昇するのは放送時間が8時からに変わる2010年『ゲゲゲの女房』まで、27年間待つことになります。