ドラマ・クロカイブ

AllAboutドラマガイドが書ききれなかったことをつづります。

『半分、青い。』岐阜カツ丼の多様性がつくし食堂を救った

半分、青い。』を見ていて不満だったのが岐阜らしさが少ないこと。ことばと五平餅ぐらいで、それ以外はどこかの山の町という感じ。

理由はたぶん岐阜県出身の北川悦吏子が脚本を書いているから。自分の地元は当たり前過ぎて新しい発見はしにくい。『あまちゃん』のクドカンみたいによそ者じゃないと「じぇじぇじぇ」を発掘したり、まべぶ汁を「甘いんだかしょっぱいんだかわからない」とはイジれません。
朝ドラの歴史を考えても首都圏や関西など人口の多いところを除いて、出身地を舞台に書いた脚本家というのは記憶にありません。テレビドラマ全体に広げても、出身地のヒット作があるのは長崎ものが多かった市川森一とこのほど半自伝的ドラマ『花へんろ』が復活する早坂暁ぐらい。巨匠レベルしか思い浮かびません。

さてそんな状況でしたが、新たな岐阜らしいものがでてきました。つくし食堂を復活させた草太のカツ丼です。あまり広くは知られていませんが岐阜県南部の美濃地方は一般的な卵とじカツ丼とは違ったスタイルのカツ丼が多い。下記のリンクがよくまとまっています。

style.nikkei.com

 

草太のカツ丼、あんかけとかふわふわメレンゲとか目玉焼きをのせるとかリンク先で紹介されているカツ丼の要素を組み合わせている感じ。東海地方で好まれる中濃ソースをかけているのがオリジナル要素でしょうか。

しかし他にも織り込める岐阜らしさはあると思いますね。例えば伝説の元祖野外フェス「中津川フォークジャンボリー」。最後の第三回は1971年8月7日からの開催で、鈴愛と律の誕生日の一ヶ月後。これにからめて仙吉(中村雅俊)が戦争について語る、というのはあまりに『ひよっこ』のビートルズ来日公演と同じでしょうか?