ドラマ・クロカイブ

AllAboutドラマガイドが書ききれなかったことをつづります。

深田恭子代役のポイントは「NHK・テレビ東京……などの主演女優」

 

深田恭子適応障害のため活動休止を発表。7月からのフジ系木曜22時枠連ドラの主演予定がキャンセルされたため、フジテレビは代役探しに追われることになりました。

かなり急いだようで、2日後には早くも比嘉愛未になることが発表に。

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代役を探している、という時点でいわれていた条件は「30代独身女優」。年齢はともかく既婚/バツ付き/独身こだわる必要はある?ドラマ的にはなくても、広告スポンサーの要望なんでしょうか。

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決まってない段階で個人的に予想していましたが、比嘉愛未も候補にいました。

「基本、男性主役の相手役や助演が多いけどNHKテレビ東京、深夜、BS/CS、ネットドラマの主演をするような女優」になるだろう、と見ていました。逆にいうと「日本テレビテレビ朝日、TBS、フジのプライムタイムドラマの主演をするような女優」は引き受けない。

まず深田恭子の後塵を拝するというメンツの問題があります。それに深田恭子を前提に考えられた企画に乗ると後で手直ししたとしてもコケるリスクがいつもより高くなり、後の仕事に影響する。それに対して、相手役・助演メイン女優だとだメンツやリスクは考えなくていい。コケてもまた助演に戻ればいいし。

かといって相手役・助演だけだと、主演として成立させることができるかという疑問がでてきます。だからあまり視聴率を問われない「NHKテレビ東京……の主演」があったほうがいい。

 

比嘉愛未はまさにそういうタイプの女優で、朝ドラ『どんど晴れ』以降は相手役・助演がメイン。連ドラ主演は日本テレビ木曜深夜よみうりテレビ制作の『恋愛時代』とWOWOW『本日は、お日柄もよく』、そしてテレ東木曜深夜で6/3スタート『にぶんのいち夫婦』の主演が決まっています。

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予想段階での懸念点はそこで、スケジュール的にいけるのか。4月末発表で6月スタート、しかも30分ドラマだからもう収録終わる頃ではないかと思ったら、まさに5/28クランクアップだったそうで、グッドタイミング。

 

ところで正式発表されたタイトルは『推しの王子様』。主人公は乙女ゲーのヒットで注目されるゲーム開発会社の女性社長。乙女ゲーのキャラクターにそっくりだけど残念なイケメン(渡邊圭祐)をみつけて、理想の男に育て上げるストーリー。
ストーリーを見るに、よくいえば逆マイ・フェア・レディ、悪くいうと最近の女性コミックにありがちで、深夜ドラマならともかくプライムタイムドラマとしては、たとえ深田恭子主演だったとしても大丈夫?この交代劇で話題になって、ヒットすればいいのですが。

隠れモチーフは向田邦子?『あのときキスしておけば』

テレビ朝日金曜ナイトドラマ『あのときキスしておけば』。覆面少年マンガ家のヒロイン、唯月巴(麻生久美子)。そのコミック作「SEIKAの空」の雰囲気から見て、『鬼滅の刃』の女性作者・吾峠呼世晴をイメージしているんだろう、と思っていました。ペンネームが「蟹釜ジョー」なのも吾峠呼世晴が通称「ワニ先生」なのに対応しているのかな。

 

 

しかし、飛行機事故でおっさん(井浦新)になってしまったヒロインが、第三話でようやく母親(岸本加世子)に娘だとわかってもらって抱き合った場面を見ていて気がつきました。
「そうか、飛行機事故といえば向田邦子じゃないか」と。向田邦子没後40周年が隠れモチーフだったんだ。
なぜ岸本加世子で気がついたかというと、代表作『あうん』の娘役だったから。

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他に向田邦子なところを探すと「SEIKAの空」のキャラクター。主人公・浪流キャベ次郎、鬼龍院ピーメン、紅リコピン、不知火コン乃介、豆田モヤオといった野菜に選ばれた戦士たち、他にキャベツの神、ナスッテ、魔王ヤオーヤなど。向田邦子テレビ朝日(当時NET)における代表作は竹脇無我森繁久彌だいこんの花』、森光子『じゃがいも』など「野菜シリーズ」と呼ばれていました。

もう一つ、向田邦子を思い出した現在放送中のドラマはテレビ東京系『生きるとか死ぬとか父親とか』第4話。エッセイストのトキコ(吉田羊)の原稿が銀座のタウン誌「銀座百点」に掲載。父(國村隼)と連れ立って銀座にいって、置いている店を探すけどさっぱり見つからない、昔の銀座と変わってしまったというエピソード。

「銀座百点」といえば向田邦子『父の詫び状』が連載されていました。

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原作のジェーン・スーが実際に依頼されたことが元になったエピソードなのでたまたまかもしれないけど、父娘関係が軸という内容も向田邦子ぽい。

ところで『あの時キスしておけば』が23時台の放送で、『生きるとか死ぬとか父親とか』が0時台の放送。この前の22時台はNHK『半径5メートル』とTBS『リコカツ』。『生きるとか』に続いてテレビ東京で放送されるのが『ソロ活女子のすすめ』。これみんな登場人物に編集者がいるドラマ。今クールのドラマはやたらと編集者が多い、というのはすでに編集のプロのデイリー新潮が書いているので、こちらを参照してください。

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劇中劇ドラマは視聴率が取れない?『おちょやん』『コントが始まる』

視聴率としてはもう一つだったものの、終盤盛り上がった『おちょやん』。
最初から懸念されていた「浮気されて離婚するエピソードをどう描くのか」ということに真正面から取り組み、テーマとして昇華した展開が見事でした。

最終回の劇中劇「お家はんと直どん」も初演よりも味わい深い、と感心しながら見ていて、ふと気がついた。そうか、劇中劇ジンクスにはまったのか。

ジンクスとは「劇中劇を多用する連ドラは名作になってもヒットしない」です。

始まりは1983年、西田敏行主演の『淋しいのはお前だけじゃない』から。

借金債務者を集めた大衆演劇劇団を舞台に、毎週演じられる大衆演劇の演目と登場人物たちの人生がリンクする構成。かなりおもしろかったけど、当時は大人気だったTBS金曜ドラマの中で低視聴率に沈みました。

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この流れを受け継いでいるのが落語が題材の『タイガー&ドラゴン』と『ちりとてちん』。どちらも評価は高いが視聴率としてはそれほど、という作品でした。二重構造の複雑さが、好きな人は好きだけど、一般的にはむずかしいという印象をもたれるんでしょう。

そして、今年に入って、この劇中劇型ドラマが『おちょやん』を含めて、なぜか多い。まず『タイガー&ドラゴン』と同じ宮藤官九郎脚本の『俺の家の話』。ホームドラマと能に加えてプロレスまでぶちこんで、ちゃんとテーマ的にまとまっているのがさすがクドカン


バックステージもので『バイプレイヤーズ名脇役の森の100日間』と『書けない!?』。
そして現在放送中では『コントが始まる』毎回、冒頭に菅田将暉、仲野大河、神木隆之介演じるトリオ「マクベス」によるコントがあり、本編でコントに隠された意味がわかるという構成。『きれいのくに』もかなりギョっとする劇中劇の使い方をしています。

 

なぜ、こんなに多いのか。緊急事態宣言でエンタメが「不要不急」だといわれているのに対して、エンタメと人生のつながりを描き、必要なんだと主張するためでしょう。

 

劇中劇が多いドラマでヒット作を考えると『ガラスの仮面』。原作コミックがすでに名作なので、それをいかに3次元化するかというのがポイント。当時16~17歳の安達祐実というベストなキャスティングに野際陽子月影先生佐戸井けん太の演出家・小野寺など原作によりそえたのが勝因でした。


はなし変わって『おちょやん』終盤の重要人物、花菱アチャコがモデルの花車当郎(塚地武雅)。劇中で「あたろう」と聞くたびに頭の中で「ア太郎」と変換されて、「モーレツかよ」とツッコミを入れてしまいます。

もーれつア太郎赤塚不二夫のヒット作ですが、『おそ松くん』『天才バカボン』は近年リメイクされて人気なのに対して、『もーれつア太郎』は世代が限られてくるでしょうか。

もしかしたら実際、当郎という人がいて、花車当郎もア太郎も元は一緒なのか?と思ったので調べてみました。

すると当郎はいました。和老亭当郎、『おちょやん』の須賀廼家万太郎(板尾創路)のモデル、曾我廼家十郎のペンネームでした。ただし読みが「あたろう」ではなく「とうろう」。花車当郎の役名元ネタなのは間違いないでしょう。

もーれつア太郎』の方はウィキペディアによると「漫画が当たってほしいという願いをこめて」と書いてあります。赤塚不二夫満州生まれで戦後引き揚げて東京、という経歴などから見て、曾我廼家十郎との接点はなさそう。

ということで、共通するのは「当たろう」という願いとダジャレのようです。

朝ドラの父はガンコからダメ父、そして毒親

近年の朝ドラは世帯視聴率が20%が当たり前で、20%切ると逆にニュースになる、というレベルでした。しかし現在放送中の『おちょやん』は20%超えたことがまだなく、それがニュースにもならないことが逆の逆でニュースになっています。

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終盤になってようやく盛り上がってきたので、終わりよければ、となればいいのですが。

視聴率がこれまでに比べて低い原因の一つとして冒頭から登場した父親のテルヲ(トータス松本)があまりにもクズすぎて視聴者が離れた、ということはあるでしょう。

近年のNHK東京がつくる朝ドラは主人公の周囲はほとんどいい人のほんわかした世界なのに対して、NHK大阪制作では『カーネーション』を代表としてシビアな現実も描きがちです。
一年前の『スカーレット』の父・川原常治(北村一輝)も娘を大阪に奉公に出し、また呼び戻すなど主人公を振り回すこともありました。ただ、飲んだくれのテルヲと違って仕事はしていました(山っ気があり、よく失敗しますが)。それに北村一輝の演技によるものかそれとも地によるものか、可愛げもありました。

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それではこれまでの朝ドラの父親はどうだったのか振り返ってみましょう。

昭和の定番は頑固オヤジ。近年BSプレミアムで再放送された昭和60年代の『澪つくし』(津川雅彦)『はね駒』(小林稔侍)は二つともそうでした。
代表作を一つ上げると『雲のじゅうたん』(中条静夫)。旧士族の誇りをもった、絵に書いたような頑固オヤジでした。

それが変わってきたのは平成元年の『青春家族』(橋爪功)。序盤で東京の製薬会社勤務から異動で土肥の温泉ホテル総支配人に都落ち。ついてきてくれるかと思った妻(いしだあゆみ)は勤務先のデパートで出世して東京居残りのため単身赴任。娘(清水美砂)は結婚式をドタキャン。悩みの多い父親でした。

そして現代ものの流れを決定づけた1996年の二作、『ひまわり』の父(寺泉憲)は20年前から失踪。『ふたりっ子』の父(段田安則)は中盤、蒸発して演歌歌手・オーロラ輝子(河合美智子)の付き人に。ダメ父路線を決定づけます。

 

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ダメ父にもいくつかタイプがあって、家出は他に『こころ』(寺尾聰)。逆に妻に出ていかれるのが『風のハルカ』(渡辺いっけい)、『つばさ』(中村梅雀)。事業失敗が『やんちゃくれ』(柄本明)、『ファイト』(緒形直人)。グータラなのが『ちゅらさん』(堺正章)、『ウェルかめ』(石黒賢)。

2010年度から本放送開始時間が15分繰り上がり、内容も一代記ものが復活。しかし父親像は昔の頑固オヤジそのままというわけにはいかない。最初の『ゲゲゲの女房』の父親、飯田源兵衛(大杉漣)が代表的で、頑固が基本ですが、現代風にやさしく見守る面もあわせもっています。
現代ものでは『あまちゃん』(尾美としのり)、『まれ』(大泉洋)がダメ父路線を継続。

 

そして毒親の先駆がでてきます。『純と愛』の狩野善行(武田鉄矢)。『純と愛』は(夏菜)と愛(風間俊介)以外の主要登場人物はほとんど性格的に問題がありすぎますが、その中でも最凶。義父から受け継いだリゾートホテルを周囲とうまくやっていけない性格から破綻させ売却。強いものには平伏するが家族には傲慢で自分の意見を押し付ける(そのためにことわざや四文字熟語を駆使するのが武田鉄矢らしさか)。

武田鉄矢がこんな役をする源流は『白夜行』の事件を追う刑事役から。その後、NHK土曜ドラマリミット-刑事の現場2-』でも同じような刑事役で、この脚本を書いたのが遊川和彦で『純と愛』につながります。


こんなひどい父親が出てくるのは「毒親」という言葉が一般化、NHKも「もしかして...虐待を考えるキャンペーン」を展開するなど、現実の反映でしょう。
しかし、これまでの朝ドラの父親像と違いすぎ、受け入れられてません。しかし一作ヒットが出れば、朝ドラの流れが変わる可能性もあります。今後ともウォッチしていきたいと思います。

終わらない平成とキッパリ終わる令和

主だった伏線を回収して見事に終わった『シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇』。
エヴァ』といえば謎をはらんでいつまでも終わらない物語の代表作だっただけに180度の方向転換です。

思えば平成は『エヴァ』の影響か、終わらないはなしが多かった。
テレビドラマだと『ケイゾク』が代表。最初の連ドラ版が99年、内容や演出など『エヴァ』の影響を受けていました。シリーズは『SPEC』に受け継がれて今年2021年、Paraviで『SPECサーガ黎明篇"Knockin’on 冷泉’s SPEC Door"』が登場、まだ続いてます。元が『ケイゾク』なので、謎を残しつつ続くのはタイトル通りか。

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しかし令和になるとちゃんと終わるように変わってきたような。例えば『仮面ライダージオウ』。放送期間のはじめから2/3が平成で残り1/3が令和。内容は平成ライダー総登場のまとめ的企画。同様の企画では2009年の平成ライダー10周年の『仮面ライダーディケイド』があります。
『ディケイド』は最終回で全然まとまらず。放送倫理・番組向上機構(BPO)の審議対象になる騒ぎとなりました。それに対して『ジオウ』の最終回は賛否両論になるぐらいにはまとまっていました。まとめようという気がなかったように思える『ディケイド』に対して『ジオウ』はまとめようという努力がある分、よかったと思います。

 

長く続くエンターテイメント作品が多いのは連載コミック。この4月に『ゴルゴ13』が『こちら葛飾区亀有公園前派出所』に並ぶコミックス200巻に到達するニュースもありました。しかし『鬼滅の刃』が全23巻で完結するなど短くなってきたという見方もあります。

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進撃の巨人』も完結し、これも最初からほぼ決まっていた結末なのでまとまっているのでしょう(個人的にアニメ版を待っているので結末はまだ知らない)。

 

なぜ平成のエンターテイメントは長く続いたのでしょうか。一番に考えられるのが商売の都合。しかしそれでは身もふたもない。
90年代は「ノストラダムスの大予言」や世紀末で世界の終わりという意識があり、それに対する反発、及び実際には世界は終わらなかったので、物語も終わらなくなったということでしょうかね。

本格推理がテレビドラマでは難しい理由

フジテレビのアガサ・クリスティ原作・三谷幸喜脚本・野村萬斎主演のシリーズ第3弾『死との約束』が放送されました。

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アクロイド殺し』が原作のシリーズ前作『黒井戸殺し』はあの有名な原作を知らない人といっしょに鑑賞。犯行が行われたあたりを見ていると「犯人はXX?」といいあてました。演出が不自然なのでわかったとのこと。
『死との約束』は自分も知らないので、どうなんだろうと思って見ていると同じく犯行前後でわかる。犯人のセリフとか行動が不自然でおかしい。

三谷幸喜朝日新聞に連載しているエッセイ、放送直後のものによると「キャスティングで犯人がわかってしまうという問題点がある」けど重要なのは「そこに行き着くまでのプロセスなのだ」と書いてます。その意味ではたしかに優れた原作でしたが、映像化するときに犯人がわかってしまうというのは問題でしょう。


それに、俳優の格で犯人がわかると放送が終わったとはいえ、見逃し配信とかで見る人がいる放送直後に書いていいの?最近の犯人あて「考察」で盛り上がるドラマ、『あなたの番です』『テセウスの船』『天国と地獄』などは意外な俳優が犯人役なのがトレンドです。

やはり本格推理という形式がテレビドラマでは難しいんでしょう。犯人がキャスティングでわかってしまうのなら『刑事コロンボ』がヒットさせ『古畑任三郎』も踏襲した犯人が最初からわかっている倒叙形式の方があっています。

ところで『古畑任三郎』が放送されている頃から思っていましたが、トリックを重視したミステリードラマをつくるなら、脚本家がトリックを考えるんじゃなくて、若手ミステリー作家などにアイデアを出してもらって脚本家はそれをまとめた方がいいと思います。

4/11スタートの日本テレビ系日曜ドラマ、広瀬すず櫻井翔主演『ネメシス』がその形式を採用したようです。期待しましょう

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最後に、本格推理ドラマの傑作を紹介。『安楽椅子探偵』シリーズ、1999年から2017年まで数年おきに放送され全8作です。

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原作は綾辻行人有栖川有栖共同執筆の書き下ろし。脚本は『相棒』から現在は『科捜研の女』メインライターの戸田山雅司。前後編で前編が問題編、翌週に解決編。視聴者からの解答を募って「最もエレガントな解答」を当選とするもの。

変わっているのが探偵で、前編の最後に笛により呼び出される白い仮面の男・その名も安楽椅子探偵。関係者を現実から切り離された「純粋推理空間」(真っ白のスタジオ)に集め、問題編の映像を自由に映し出し犯人を導き出します。推理は論理的なのに、存在は超常的な謎の探偵です。

大阪朝日放送制作のローカル放送で全国では知られていませんが、TVerがあるいまならもっと盛り上がるでしょうから、復活しませんかね。逆に盛り上がりすぎて解答が殺到すると処理できなくなるから、そのために終了したのかもしれませんが。

『これは経費で落ちません!2』の穴は何事もなかったかのように埋まった

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昨年秋にあった、多部未華子『これは経費で落ちません!』続編ドタキャン?問題。そんなに問題か?という記事を以前、書きました。

 

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そして元の女性自身の記事で

NHKの大混乱は事情説明ばかりではない。

「来年4月の放映枠がポッカリ空いてしまいました。いろいろ代案も提案されましたが、上層部からのOKも出ず……。『このままでは過去のドラマの再放送でしのぐしかない』という悲鳴も上がっています」(前出・NHK関係者)

 

 と書いてあったので、4月スタートのドラマ10の情報を待っていて、そして1/29に公開されました。

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女性雑誌が舞台、芳根京子永作博美の『半径5メートル』。女性雑誌はスキャンダルも扱うものということなので、女性自身、女性セブン、週刊女性みたいな雑誌。もしかしたら女性自身の記事に対する皮肉?

それはともかく、その他のキャストやメイン演出が映画監督の三島有紀子という布陣から見て、ドタキャンされてあわてて作ったという感じはありません。
唯一、橋部敦子は現在『知ってるワイフ』『モコミ〜彼女ちょっとヘンだけど〜』の脚本も担当。『知ってるワイフ』はすでに収録完了しているそうなので、時期はズレていますが、一年弱で連ドラ三作担当するというのはたいへんだな、とは思います。

NHKとしては朝ドラと大河のスケジュールがおしてるのが大問題で、それに比べればそれほど、という感じじゃないでしょうか。むしろ大変なのは『これは経費で落ちません!』共同制作の日テレアックスオンの方でしょう。
コロナ禍で連ドラのスケジュールが乱れた中で、コロナ禍前に発表済みのドラマは昨年中におおむね制作されましたが、テレビ東京『らせんの迷宮~DNA科学捜査~』は田中圭が忙しいためかまだ制作されていません。

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これも制作はアックスオン。予定していたものが、1年に2作つくられないというのは大きいでしょうね。
その穴埋めなのかどうなのか、今期日本テレビ連ドラ『ウチの娘は、彼氏が出来ない!!』『レッドアイズ』『君と世界が終わる日に』の三作はみんなアックスオンが制作協力しています。

 

ドラマの制作現場が大変といえば現在放送中の『書けないッ!?〜脚本家 吉丸圭佑の筋書きのない生活〜』。

連ドラのメインライターがゴルフで腰の骨を折り緊急降板、なにもできていないまま収録開始も迫り、誰も引き受け手がいなかったためにほとんど実績もない主人公に仕事がまわってきて、その悪戦苦闘を描いています。
なにもないのに「明日が〆切」とか、かなりオーバーに描かれていますが、なかなかドラマ制作の現場のドタバタがのぞけて楽しめます。

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