ドラマ・クロカイブ

AllAboutドラマガイドが書ききれなかったことをつづります。

終わらない平成とキッパリ終わる令和

主だった伏線を回収して見事に終わった『シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇』。
エヴァ』といえば謎をはらんでいつまでも終わらない物語の代表作だっただけに180度の方向転換です。

思えば平成は『エヴァ』の影響か、終わらないはなしが多かった。
テレビドラマだと『ケイゾク』が代表。最初の連ドラ版が99年、内容や演出など『エヴァ』の影響を受けていました。シリーズは『SPEC』に受け継がれて今年2021年、Paraviで『SPECサーガ黎明篇"Knockin’on 冷泉’s SPEC Door"』が登場、まだ続いてます。元が『ケイゾク』なので、謎を残しつつ続くのはタイトル通りか。

[http://

 

しかし令和になるとちゃんと終わるように変わってきたような。例えば『仮面ライダージオウ』。放送期間のはじめから2/3が平成で残り1/3が令和。内容は平成ライダー総登場のまとめ的企画。同様の企画では2009年の平成ライダー10周年の『仮面ライダーディケイド』があります。
『ディケイド』は最終回で全然まとまらず。放送倫理・番組向上機構(BPO)の審議対象になる騒ぎとなりました。それに対して『ジオウ』の最終回は賛否両論になるぐらいにはまとまっていました。まとめようという気がなかったように思える『ディケイド』に対して『ジオウ』はまとめようという努力がある分、よかったと思います。

 

長く続くエンターテイメント作品が多いのは連載コミック。この4月に『ゴルゴ13』が『こちら葛飾区亀有公園前派出所』に並ぶコミックス200巻に到達するニュースもありました。しかし『鬼滅の刃』が全23巻で完結するなど短くなってきたという見方もあります。

gendai.ismedia.jp


進撃の巨人』も完結し、これも最初からほぼ決まっていた結末なのでまとまっているのでしょう(個人的にアニメ版を待っているので結末はまだ知らない)。

 

なぜ平成のエンターテイメントは長く続いたのでしょうか。一番に考えられるのが商売の都合。しかしそれでは身もふたもない。
90年代は「ノストラダムスの大予言」や世紀末で世界の終わりという意識があり、それに対する反発、及び実際には世界は終わらなかったので、物語も終わらなくなったということでしょうかね。