ドラマ・クロカイブ

AllAboutドラマガイドが書ききれなかったことをつづります。

3倍速い『カムカムエブリバディ』は週5時代のスタンダードに

『カムカムエブリバディ』、これまでの朝ドラにはない高速展開が話題です。

三代百年の物語という企画を聞いたときから、ある程度予想はできました。

『おちょやん』と同じ全115回とすると1回あたり平均0.87年進めなくてはいけない。第4週終わりの20回で昭和元年から始まったドラマが昭和20年まできて、ここまで1回1年ペース。

それでもある時代をじっくり描いて、間をとばしてくるのかと思っていました。しかし子役期間のある1週目は14年進んだものの、2,3,4週は2,3年の進行でだいたい均等ペースで進んでいます。
このペースでとばしながら内容が総集編的にならず、自然に進行していくところがすごい。

朝ドラ100作目『なつぞら』の時に、記念作は複数ヒロインで明治大正昭和か昭和平成令和のロングスパンを描くのがいいんじゃないかと思っていたのですが、実際に形にするとこんなふうになるんですね。普通ならヒロイン一人で半年なのに、三人がかりなんだから、単純に三倍速い。

この高速ペース、最近の問題点も改善しています。
ながらく月~土の週6回放送だった朝ドラでしたが、働き方改革で『エール』から月~金の週5回放送に変わりました。
そうすると長年の週6回ペースが身にしみているので金曜になると「もう終わり?」と思いがちです。タイミングだけじゃなく内容も。週毎にサブタイトルをつけて起承転結をつけていますが「昔だったらもうひとひねりあったんじゃないか?」と物足りなく感じます。

しかし『カムカム』はテンポアップして5日間に内容を詰め込んでいるので、まったく感じません。

おそらく、今後の朝ドラは『カムカム』ほどではないにしても、これまでよりテンポアップすることになるでしょう。
『カムカム』の脚本家、藤本有紀の朝ドラ前作は『ちりとてちん』。こちらも以後の作品に対する影響は大きかった。

dramakuro.hatenablog.jp

『カムカムエブリバディ』もそれに続きそうです