ドラマ・クロカイブ

AllAboutドラマガイドが書ききれなかったことをつづります。

朝ドラ1984〜1988:好調は持続しているが変わらなくてはいけない

おしん』でヒロイン一代記パターンが一つの頂点を極めてしまったので、変わらなくてはいけない。

そこで翌84年度は上期『ロマンス』下期『心はいつもラムネ色』、ともに男性主人公。朝ドラで男性主人公は視聴者が共感しにくく難しいのですが、『おしん』の一つ前、『よーいドン』以上の視聴率をとっているのでヒットしたといえるでしょう。しかし85年の『いちばん太鼓』は盛り上がらず、やっぱり女性主人公メインに。

 

澪つくし』は「銚子のロミオとジュリエット」と呼ばれ恋愛がメインで盛り上がり、放送期間半年になった75年以降では『おしん』に続く高視聴率。85年制定の男女雇用機会均等法を反映して働く女性がテーマの『はね駒』。学園ドラマか女教師版『坊っちゃん』かの『はっさい先生』など多様な展開をみせます。

 

また『澪つくし』が第一回東宝シンデレラ沢口靖子、『はね駒』が東宝シンデレラでは沢口靖子に敗れた斉藤由貴、『いちばん太鼓』は男性主人公ですが相手役は三田寛子。さらに『チョッちゃん』は南野陽子が決まっていたといわれ、アイドル色が強くなったのも特長。

 

ノンちゃんの夢』の初回の時代設定は1945年8月15日終戦の日。『純ちゃんの応援歌』は1947年スタート。これまで一代記ものは太平洋戦争をはさむものが主流でしたが、ここから戦争が終わったところから始まることが多くなってきます。

原因は視聴者層の世代が変わってきたため。終戦時点でものごころついた7,8才ぐらいの人は1938年前後の生まれ。1988年ではすでに50代になっています。若返りが必要になってきていました。

 

視聴率は好調ながら次の路線を模索する時期でした。

 

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