ドラマ・クロカイブ

AllAboutドラマガイドが書ききれなかったことをつづります。

無理といわれるとやりたくなる『カムカムエブリバディ』

5月末、2021年上期の連続テレビ小説が『おかえりモネ』であることが発表に。主演はオーディションなしで清原果耶に。これで六作連続オーディションなし。
清原果耶が選ばれたことと働き方改革や新型コロナ対応でドラマ収録が難しくなっていることを合わせて「朝ドラヒロイン、しばらくはオーディションで選ぶのは無理で、朝ドラ助演経験があるか実績のある女優じゃないと」という論調が花盛りでした。例えば

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「みんなそういえばいうほどNHKの中の人、逆に考えるんじゃないか?」と正直、マユにツバをつけながら読んでました。紅白歌合戦について「司会に候補として報道された人は選ばれない」という説もあります。

すると、7月末に2021年下期の『カムカムエブリバディ』はオーディションで選ぶと発表されました。

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収録が難しい対策として祖母・母・娘の三世代ヒロイン制にすると。そうきたか。

過去の複数ヒロインのパターンは2つ。
一つは母娘ダブルヒロイン。平成初期の『青春家族』(いしだあゆみ清水美砂)で導入され『京ふたり』(山本陽子畠田理恵)、『女は度胸』(泉ピン子桜井幸子)で踏襲。
この時期、朝ドラを見る層が戦後世代中心になったため、これまでの一代記ものから現代ものにシフトしていました。あわせてヒロインに戦後世代の母親役も入れることで視聴者の共感を得ようとする戦略だったんでしょう。
もうひとつは『ふたりっ子』(岩崎ひろみ菊池麻衣子)と『だんだん』(三倉茉奈三倉佳奈)の対称的な性格を持った双子ヒロイン。

複数制にする場合の不安点は、一人の負担は少なくなる代わりに女優の成長が十分か、ということ。清水美砂は最終回をむかえても、まだ線が細そうに見えました(今は立派になりました)。畠田理恵は羽生九段と結婚して引退するまでずっと演技はなんだった。

オーディションには相当な実績・実力を持った女優が集まるでしょうから、大丈夫でしょうけど。

最後にオーディションで勝ち抜いてヒロインになってほしい女優をひとり上げると藤野涼子

 

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2014年、1万人の大規模なオーディションが行われた映画『ソロモンの偽証』を勝ち抜き、主人公の藤野涼子役でデビューし、役名を芸名に。2017年『ひよっこ』で向島電機組の兼平豊子役、2019年『腐女子、うっかりゲイに告る』のヒロイン。来年の大河『青天を衝け』の渋沢栄一の妹役も決まっています。
藤野涼子のすごいところは、まだあか抜けなさを保っているところ(ほめてます)。これだけ活躍していれば普通はもっと洗練されるはず。ある意味、朝ドラヒロインらしい。

8月から放送のテレビ朝日系のABC制作『ステイナイトミステリー・日暮里チャーリーズ』初回のゲストに女子大学生役で登場し、あか抜けてないバージョンとめずらしくあか抜けたバージョンで出演しました。あか抜けたのは取ってつけた感があり、やっぱりあか抜けてない方が魅力があることを確認できました。