ドラマ・クロカイブ

AllAboutドラマガイドが書ききれなかったことをつづります。

『エール』戦争エピソードは放送日とリンクする

『エール』第18週「戦場の歌」はビルマ慰問に行った古山裕一(窪田正孝)がインパール作戦の失敗を目の当たりに。朝ドラ史上もっともハードに戦争を描いたといわれます。
朝ドラは女性主人公が圧倒的に多く、かつ舞台はほとんど日本国内で戦時中の沖縄舞台もなかったので、悪くても空襲にあうか家族を失うとかでした。
このあたりが一番つくりたかったようでこれまでと全然デキが違ってます。その落差はどうなんだという気もしますが。

 

第18週は10/12〜16の放送でしたが、11週間の放送中断がなかったら、8/15の終戦記念日のあたりに放送する予定だったんじゃないかと思います。朝ドラでは戦争関連で月日を同期させることがよくあります。ストーリー展開の都合上、完全に一致させるのは難しいですが一週間前後の誤差ぐらいで。

ゲゲゲの女房』第21週「戦争と楽園」(8/16〜21)では水木しげるがモデルの村井茂(向井理)がラバウル(ここもひどい戦場だった)を回想。
ごちそうさん』第22週「い草の味」(3/3〜3/8)では大阪大空襲(3/13〜14)の際、地下鉄が救援に走った実話を映像化。
ひよっこ』第13週「ビートルズがやって来る」(6/26〜7/1)ではおじの宗男(峯田和伸)がインパール作戦に参戦した過去とリンク。ビートルズ来日公演は6/29〜7/3、インパール作戦が中止されたのは7月初めと二重にリンクしています。

 

朝ドラと戦争関連で、もう一ついいたいのは「いきなり太平洋戦争から始めるな」です。これで失敗したのが『君の名は』と『春よ、来い』の二作。
『君の名は』は東京大空襲の最中に始まります。菊田一夫(『エール』で北村有起哉演じる池田二郎として登場)の原作がそうなっていて変えようがない。
『春よ、来い』も橋田先生がモデルのヒロイン(安田成美)が女子大に入る1943年に始まります。
どうしても暗くなる時代だけに、ある程度勢いをつけてからじゃないと乗り切れない。乗り切れなかった結果、1年続く記念作なのに低視聴率となり、朝ドラ長期低迷時代のキッカケになりました。

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あと、半年放送になってからいきなり太平洋戦争だったのは原日出子主演の『本日も晴天なり』で1944年(昭和19年)スタート。ヒロインはNHKが男性アナウンサー出征のため、代わりに採用されアナウンサーに。舞台がNHK東京なので最初の山場が『日本の一番長い日』でも描かれた玉音放送をめぐる事件でした。

 

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ともあれ「いきなり太平洋戦争から始めるな」大事なことだから二回書きました。