ドラマ・クロカイブ

AllAboutドラマガイドが書ききれなかったことをつづります。

『透明なゆりかご』ヒロインは半分じゃなく二倍、青い。

産婦人科医院が舞台の『透明なゆりかご』。妊娠中絶やDVなど産婦人科の影の部分も描くというシリアスな作品で夏ドラマで抜群のデキ。

その割には看護師見習いの主人公(清原果耶)は、母子手帳を返し忘れて発進する車の前に飛び出すというあたりはオッチョコチョイだとしても、事情があってやたらと怒る妊婦(田畑智子)への怖がり方や、事情がわかってなんとかしようとやたらとつきまとうあたりの行動がなんかおかしい。原作がコミックだからか?と調べてみました。

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原作コミックは作者・沖田X華の実体験を元にして主人公の名前もX華。それで原作者は『毎日やらかしてます。アスペルガーで、漫画家で』という作品もあり、アスペルガー学習障害、注意欠陥多動障害といった発達障害と診断されているとのこと。ドラマでは母親(酒井若菜)にこどものころきつくあたられた描写があったり、ホームページの登場人物紹介に「不器用でコミュニケーション下手」と書かれていますが、そういう背景があったのか。

そして、フジテレビの『グッド・ドクター』の主人公(山崎賢人)は自閉症スペクトラム障害サヴァン症候群の小児外科医。夏ドラマで2つある病院ものには共通点がありました。今の医療の問題をコミュニケーションという面から見るということなんでしょうか。

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『透明なゆりかご』第4話「産科危機」は母体死亡がテーマで、メインゲストは残された夫役の葉山奨之。清原果耶とはドラマ版『セトウツミ』で共演しています。
サッカー部を辞めてヒマしてる天然の瀬戸(葉山奨之)と塾に行くまでの時間をつぶしてるクールな内海(高杉真宙)の大阪の男子高校生二人が毎日河原で話をするのがほとんど。「大阪人が二人で話していると漫才になる」ということを証明する作品です。瀬戸は樫村一期(清原果耶)が好きだけど、彼女は内海が好きという三角関係がありました。
池松壮亮菅田将暉中条あやみで映画化もされましたが、こういう素材は深夜ドラマ向きです。淡々としているようにみえて、不穏な最終回に向けての着々と伏線を張っているのも見もののオススメ作です。

 

ところでドラマのヒロインの名前は青田アオイで『半分、青い。』ならぬ二倍、青い。
ドラマ中では両親が離婚して母親の旧姓に変わったからだという説明がありました。しかし原作者ペンネームが沖田X華(おきたばっか)、起きたばっかりに由来するダジャレに対応してたり、それに「青二才」も引っ掛けているような気もします。