ドラマ・クロカイブ

AllAboutドラマガイドが書ききれなかったことをつづります。

復活したクリスマスドラマには前触れがあった

やや書くタイミングを失しましたが、長年追いかけてるクリスマスドラマ。 allabout.co.jp dramakuro.hatenablog.jp 前回書いたのは2016年、『逃げるは恥だが役に立つ』最終回が12月20日だけど、クライマックスがクリスマスに向かってなかった時。「もはや連…

災禍をドラマで描くには2〜3年は必要

緊急事態宣言から半年たって始まった2020年の秋ドラマ。コロナ禍をどれだけドラマの中で描いてくるかに注目していました。 もろに描いているのが『#リモラブ〜普通の恋は邪道〜』。波瑠演じるヒロインは会社の産業医。コロナ禍に対応するため奮闘している中…

『エール』戦争エピソードは放送日とリンクする

『エール』第18週「戦場の歌」はビルマ慰問に行った古山裕一(窪田正孝)がインパール作戦の失敗を目の当たりに。朝ドラ史上もっともハードに戦争を描いたといわれます。朝ドラは女性主人公が圧倒的に多く、かつ舞台はほとんど日本国内で戦時中の沖縄舞台もな…

やっぱり根強いドラマのクール制

www.nhk.or.jp NHKが『エール』を当初予定から10話短縮し、放送終了を2週間前倒して11/28終了、次回作『おちょやん』を11/30にスタートすると発表しました。 dramakuro.hatenablog.jp で、12月半ばで終わって『おちょやん』は年明けスタートとした予想は外れ…

NHKは『これは経費で落ちません!』の続編をつくりたいのか

『私の家政夫ナギサさん』がヒットし、評価のあがる多部未華子ですが、その一方でネガティブな話題もでてきました。 jisin.jp 女性自身発の記事で、ヤフーニュースのトップにも出たことから広く知れ渡りました。昨年、NHK総合で放送されヒットした『これは経…

約3ヶ月遅れとなった朝ドラをリカバリーするには

新型コロナウィルスの影響で6/29から放送休止した『エール』、再開は9/14であることが発表されました。 www.nhk.or.jp 休止中は第1回から再放送し、本放送では1週間のまとめだった土曜も再放送にしたためペース6/5=1.2倍で進行。本放送6/29分が放送されるの…

無理といわれるとやりたくなる『カムカムエブリバディ』

5月末、2021年上期の連続テレビ小説が『おかえりモネ』であることが発表に。主演はオーディションなしで清原果耶に。これで六作連続オーディションなし。清原果耶が選ばれたことと働き方改革や新型コロナ対応でドラマ収録が難しくなっていることを合わせて「…

恋愛ドラマ時代の終わりと変人化『やまとなでしこ』

押尾学のせいで近年再放送されなかった『やまとなでしこ』が2時間×2の特別編として放送されています。 リアルタイムで見ていたときの個人的感想は「トレンディドラマから、らせん階段をのぼって一周回って一階上にきた」です。1988年の『君の瞳をタイホする!…

松原智恵子と朝ドラ史上最大のパンデミックと『隕石家族』

『やすらぎの郷』の最後で八千草薫演じる九条摂子が死んだのを見て、「続編ができるなら、きっと松原智恵子がやすらぎの郷の住人になるだろう」と思い、『やすらぎの刻〜道』で予想は的中しました。というのも「おっとり」というキーワードで八千草薫に一番…

80年代朝ドラを支えた無名塾

BSプレミアムで再放送中の『はね駒』。28話、東北女学校の試験でヒロイン・りん(斉藤由貴)の「終生の友」となる浜田くにが初登場。演じる菅原亜希代、最近みないけどどうしたんだっけ?と調べると、仲代達矢主宰の無名塾にずっといて舞台中心なんですね(現在…

川栄李奈と伊藤沙莉と『いいね!光源氏くん』

ひところ川栄李奈が女優として活躍しだして、ネット上で「ゴリ押しだ」といわれていました。 [http:// 個人的に気になったのはTBS系、笑福亭鶴瓶MCの『A-Studio.』。2018年3月末にゲストとして出演。「TBS関連の番組か映画の宣伝?」と思いつつ見ていたら、…

スーパーたのくらでも売っていたヒノデビール

朝ドラ100作記念で再放送された『おしん』の最終回。スーパーたのくらの経営危機を乗り越えて、みんなで宴会しているシーンでびっくりしたのは「ヒノデビールを飲んでる!」。 ヒノデビールについては昔書きました。 allabout.co.jp NHKドラマは実在の企業の…

『スカーレット』も『麒麟がくる』も琵琶湖が重要

『スカーレット』を見ていて気になっていては琵琶湖がほとんど出てこないこと。滋賀県は琵琶湖だろという以外に、信楽という山あいが主な舞台だけに、重要なシーンは広がりのあるところに出てきてほしかった。2時間ドラマの最後は崖で犯人が告白するようなも…

さすがジャパネットたかた

BSテレ東で2月20日(木)17:58から始まった『マニアックな人々』。初回のテーマが「時代劇にすべてを捧げた愛すべき人たちへ」ということで見てみました。MC松尾貴史でゲストに松平健、京本政樹。ゲストの時代劇トークをまじえつつ、紹介されたマニアックな人…

NHKは『いだてん』をあきらめてない

2020年4月の新年度が近くなって、NHK BSプレミアムの大河ドラマと朝ドラ再放送情報がでてきました。 日曜朝6時からの大河ドラマ再放送は『太平記』。これは『麒麟がくる』と同じ池端俊策脚本つながりですね。「『太平記』で室町幕府の始まりを書いたから、…

やっぱりドラマの勢いで結婚してはいけない

東出昌大が唐田えりかと不倫で杏と別居の話題が芸能ニュースを賑わせています。 ドラマで共演した俳優同士の結婚については、『北の国から 2002遺言』の吉岡秀隆・内田有紀が離婚したときに書いたことがあります。 allabout.co.jp 共演すると濃い人間関係と…

新記録を狙えるか?三谷幸喜脚本『鎌倉殿の13人』

2022年の大河ドラマが三谷幸喜脚本、小栗旬主演で『鎌倉殿の13人』であることが発表になりました。発表日は1/8。普通はあまり大河ドラマの新作を発表しないような時期ですが、『麒麟が来る』の開始日が遅れて、大河ドラマを放送しない期間ができてしまったの…

近年なかった設定変更『おっさんずラブ-in the sky-』

手堅くヒットすることを期待され、近年は続編ものドラマが増えています。この秋のドラマでは12年ぶりの『時効警察はじめました』に13年ぶりの『まだ結婚できない男』と空白期間の長い続編があり、いつもより注目されました。 そんな続編ものの一つに『おっさ…

沢尻エリカ代役のポイントは「期待の割には」

沢尻エリカが麻薬取締法違反で逮捕され、大河ドラマ『麒麟が来る』の主要キャスト・濃姫役を降板。注目の代役は川口春奈となりました。 個人的には「事務所からプッシュされているけど期待の割には売れていない」女優になるだろうと予想していました。という…

脚本家とスタッフとの対立は『鳩子の海』でもあった

2020年春からの朝ドラ『エール』、脚本は当初発表では『コード・ブルー』などの林宏司でしたが、降板することが発表になりました。 www.dailyshincho.jp 他の記事では「演出担当スタッフとの対立」と書かれているものが多いのですが、リンク先の記事では『サ…

『俺の話は長い』は山田太一ドラマを意識しているのか

日本テレビ系『俺の話は長い』。30分×2の構成がめずらしい、というウリでしたが、そんなめずらしい?と思っていました。 www.ntv.co.jp プライムタイムの連ドラとして1回に複数話あるのは2003年『動物のお医者さん』という前例があります。深夜ドラマではよ…

ほとんど総集編のような特別編を二作連続でする?

好評のうちに最終回を迎えた『監察医 朝顔』。しかし最終回の翌週放送された「特別編」がほとんど総集編だったことでガッカリされています。www.cyzowoman.com同じ枠の前作『ラジエーションハウス』も同じくほとんど総集編のような特別編を放送していました…

大草原の小さな家とソラとローラと十津川警部

『なつぞら』の中盤、『神をつかんだ少年クリフ』を制作しているあたりで「このペースで行くと最後に制作するのは『ハイジ』がモデルで、牧場で育った奥原なつを重ね合わせた作品か」と予想できました、アニメ化されてない適当な原作はあるか考えてみたけど…

朝ドラの歴史:まとめ

「大切なことはみんな朝ドラが教えてくれた」という本があります。著者は朝ドラの戦略を聞くべくNHKを取材するが、朝ドラ専門の部署がないことにビックリします(この間まではドラマ番組部はあったけど、2019年6月の組織改編でそれもなくなった)。 [http:// …

朝ドラ2010〜:V字回復した理由は開始時間変更だけじゃない

四半世紀近く視聴率の長期低落が続き、2008年10月に「朝ドラのあり方を見直す」と発表があり、2010年1月にその結果が発表されました。「NHK総合本放送開始時間を8時15分から8時に繰り上げる」と。「主婦が家事をしている時間帯など、いくつかのデータを基に…

朝ドラ2006〜2009:長期低落傾向脱出へ種まき

2006年はNHK放送開始70周年だからか長期低落を続ける朝ドラをなんとかしようということなのか例年とちょっと違う。東京制作の上期『純情きらり』と大阪制作の下期『芋たこなんきん』を二作同時発表。 どちらもひさびさに主演オーディションでない起用で、放…

朝ドラ2001〜2005:パターンを自覚してそれを極める

21世紀に入っての第一作は『ちゅらさん』。大人気で続編が三作もつくられましたが後の作品へ与えた影響も大きい。 まずは家族観。離婚の『ふたりっ子』、シングルマザーの『わたしの青空』、アラフィフに至る最終回まで独身の『オードリー』と新しい家族の形…

朝ドラ1996〜2000:現代的要素を取り入れて方向転換完了

『青春家族』で現代路線の方向性が出ながら、なかなか変われなかった朝ドラ。ようやく方向転換できたのは1996年『ひまわり』『ふたりっ子』の連続ヒットから。 要因は脚本家の若返り。これまではベテランから中堅どころが担当していました。しかし上期『ひま…

朝ドラ1989〜1995:変わる方向性は出ているがなかなか変われない

988年の『ノンちゃんの夢』『純ちゃんの応援歌』で時代設定を新しくしてきましたが、ストーリー展開としては昔ながら。 現代的になったのは翌1989年、平成第一作の『青春家族』から。キャリアウーマンで不倫を疑われたりする母(いしだあゆみ)と結婚式を当日…

朝ドラ1984〜1988:好調は持続しているが変わらなくてはいけない

『おしん』でヒロイン一代記パターンが一つの頂点を極めてしまったので、変わらなくてはいけない。 そこで翌84年度は上期『ロマンス』下期『心はいつもラムネ色』、ともに男性主人公。朝ドラで男性主人公は視聴者が共感しにくく難しいのですが、『おしん』の…