ドラマ・クロカイブ

AllAboutドラマガイドが書ききれなかったことをつづります。

恋愛ドラマ時代の終わりと変人化『やまとなでしこ』

押尾学のせいで近年再放送されなかった『やまとなでしこ』が2時間×2の特別編として放送されています。

リアルタイムで見ていたときの個人的感想は「トレンディドラマから、らせん階段をのぼって一周回って一階上にきた」です。
1988年の『君の瞳をタイホする!』『抱きしめたい!』に本格的に始まったトレンディドラマ、女性の目指すものは「金もイケメンも」でした。ところが1991年の『東京ラブストーリー』『101回目のプロポーズ』になると金や容姿じゃないんだと変わり「純愛ドラマ」だと主張します。
ところが『やまとなでしこ』のヒロインは「金があれば爺さんでもかまわない」という空前の価値観。このひねり方が「一周回って一階上にきた」です。

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現在から振り返ってみると、時代の大きな転換点だったなと思います。
やまとなでしこ』放送は2000年10〜12月と20世紀の最後。後番組、21世紀最初の月9は『HERO』第1シリーズ。月9で1997年の『ラブジェネレーション』に続く木村拓哉松たか子の組合せですが、恋愛ドラマから事件ものであり検事のお仕事ドラマでもあるという現在でも人気の路線に転換。木村拓哉はこれ以降、お仕事ドラマにシフト。恋愛ドラマも大ヒット作がでにくくなります。あっても小説やコミックなどの原作ありでオリジナル脚本作品はまれ。

 

もう一つは主人公の変人化の流れ。このあたりは

allabout.co.jp

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変人が主人公になることが増えるのは刑事・事件ものだと1999年『ケイゾク』に2000年『TRICK』、それに2000年にスペシャルドラマとして始まり2002年に連ドラ化された『相棒』など。
刑事・事件もの以外だと中園ミホ脚本作品でも『やまとなでしこ』から『ハケンの品格』『ドクターX』の流れが大人気に。

世紀の変わり目にテレビドラマは大きく変わった、と『やまとなでしこ』を見ながら思います。