ドラマ・クロカイブ

AllAboutドラマガイドが書ききれなかったことをつづります。

朝ドラ2010〜:V字回復した理由は開始時間変更だけじゃない

四半世紀近く視聴率の長期低落が続き、2008年10月に「朝ドラのあり方を見直す」と発表があり、2010年1月にその結果が発表されました。「NHK総合本放送開始時間を8時15分から8時に繰り上げる」と。「主婦が家事をしている時間帯など、いくつかのデータを基に放送時間を決めた」とのこと。

 

当時は1年ぐらい検討してそれだけ?と個人的に思いましたが、それだけではなかった。

まず時間変更を広めるための告知する必要があり、NHKの番組中だけでなく雑誌、ネットや民放のワイドショーでも取り上げられることが多くなりました。そのためにプロモーションの予算は増えているでしょう。

さらに主演を新人ではなく実績のある俳優であることが多くなり、また時代設定が現代よりも明治・大正・昭和の戦争前後が増えました。2つとも制作費が上がる原因になるので、たぶんその予算も上がっているでしょう。

ドラマの内容もレベルが上って、朝ドラ史上屈指の名作が争うようにでてきます。

 

V字回復の原因はそういったことが複合してですが、なかでも大きかったのは一代記パターンを基本にしたことでしょう。東日本大震災をはじめ大災害相次ぐ現代を、関東大震災や太平洋戦争の形を借りて描くことができました。

 

このあたりのことは記憶にあたらしく、歴史というにはまだ現在進行形。2010年以降最高視聴率で100作記念視聴者人気投票一位の『あさが来た』でとりあえず終わって、これ以降はまた次の転換期が来てからにしましょう。

 

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