ドラマ・クロカイブ

AllAboutドラマガイドが書ききれなかったことをつづります。

朝ドラ1989〜1995:変わる方向性は出ているがなかなか変われない

988年の『ノンちゃんの夢』『純ちゃんの応援歌』で時代設定を新しくしてきましたが、ストーリー展開としては昔ながら。

現代的になったのは翌1989年、平成第一作の『青春家族』から。キャリアウーマンで不倫を疑われたりする母(いしだあゆみ)と結婚式を当日キャンセルしマンガ家をめざす娘(清水美砂)のダブルヒロイン。これまでガンコだが頼れる父親が定番でしたが、単身赴任し夫婦関係に悩む父(橋爪功)も現代的。

 

バブル景気を背景に1988年の『君の瞳をタイホする!』と『抱きしめたい!』から民放ドラマはいわゆるトレンディドラマが席巻するようになっていました。これにより家族で見るものだった連続ドラマは女性を中心に若者が見る作品が主流になり、中高年層は2時間サスペンスに、と分化。

朝ドラもその流れへの対応が必要でした。

 

この線で朝ドラもこのまま現代的になるのかと思ったら、そう簡単にはいかない。東京制作だと翌年は大正が舞台で男性主人公の『凛凛と』。その次は太平洋戦争の末期から始まる『君の名は』と古典的パターンを連発。

『凛凛と』は放送開始65周年記念作で主人公のモデルはテレビジョン開発者。『君の名は』は連続テレビ小説30周年記念作というシバリがあり、現代を舞台にはできなかったのでしょう。『青春家族』があまりに進みすぎていて、反動もあったのかもしれません。

 

記念作とかの影響がない大阪制作の方が『京、ふたり』『おんなは度胸』とダブルヒロインパターンも取り入れつつ漸進的に路線を新しくしていって好評。

『ひらり』がようやく『青春家族』の路線を受け継いでいます。オープニングテーマをインストから歌詞つき主題歌にしたのは『ロマンス』が最初ですが、Jポップ(ドリームズ・カム・トゥルー)を使ってきたのも現在につながるパターンの最初。

 

『ぴあの』と放送開始70周年作『春よ、来い』は内容的に疑問。さらに『春よ、来い』の放送中に阪神大震災オウム真理教事件と大事件が相次いで発生。その後の『走らんか!』は鬼門の男性主人公、とこのあたりで激しく視聴率を落としてしまいます。

 

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平均視聴率