ドラマ・クロカイブ

AllAboutドラマガイドが書ききれなかったことをつづります。

2000年放送のブレイク俳優輩出作品から久々に

出演した俳優が後にたくさん売れる作品というのはたまにありますが、個人的に一番そうだと思うのはNHKが2000年4〜6月に放送した『六番目の小夜子』。この作品の生徒役が次々に売れています。

始まる前から売れていたのは主演の鈴木杏で97年豊川悦司主演の『青い鳥』から。
Wヒロインの栗山千明は同じ年の年末公開の映画『バトル・ロワイアル』で注目され『キル・ビル』につながる。
男優一番手の山田孝之は前年の『サイコメトラーEIJI2』がデビュー、2作目が『六番目の小夜子』でその後、大河『葵 徳川三代』で竹千代(後の家光)役、朝ドラ『ちゅらさん』のヒロイン弟。
山田孝之の弟役が勝地涼で、同時並行で2000年4〜6月放送の『永遠の仔』で渡部篤郎演じる主人公の少年時代役。ちなみに共演の椎名桔平の少年時代役が浅利陽介。ところで勝地涼がブレイクしたのは前髪クネ男?結婚報道の時にもそういわれていたような。
さらに同級生役で出演していた山崎育三郎が20代になってミュージカル俳優として頭角を表します。

このあたりで打ち止めかと思っていたけど、『ホリデイラブ』から現在放送中の『ブラックスキャンダル』で松本まりかが注目されてきました。

otekomachi.yomiuri.co.jp

六番目の小夜子』ではヒロインの親友で学級委員長の4番手ポジション。以前は特徴的なアニメ声が足を引っ張っていたような印象でしたが、30代になってそれを武器にできるようになりました。

こうなると次もあるかもしれない。一番可能性があるのは文化祭実行委員長役(文化祭が山場だった)の内野謙太。助演俳優としてコンスタントに活動、個人的には『ウルトラマンメビウス』の防衛隊隊員役が印象深いところ。


最後に『六番目の小夜子』について。1970年代、NHKに「少年ドラマシリーズ」がありました。筒井康隆時をかける少女』を原作とする『タイムトラベラー』などが人気で、当時の少年少女のSFマインドを醸成。『君の名は。』もその流れにあるといっていいでしょう。

 

allabout.co.jp

少年ドラマシリーズ」は時代的に映像がほとんど残ってなく、その意味でも伝説のシリーズ。それを現代に蘇らせようとしたのが『六番目の小夜子』。原作の恩田陸(これがデビュー作)も「少年ドラマシリーズがモチーフ」で書いたといっています。
内容もそれにふさわしい完成度で少年ドラマシリーズをきちんと成仏させた作品だと思います。