ドラマ・クロカイブ

AllAboutドラマガイドが書ききれなかったことをつづります。

『昭和元禄落語心中』古くて新しいNHKの拡大版

NHK金曜22時ドラマ10の新作『昭和元禄落語心中』。原作の内容から期待作ですが、不安点は名人と言われる八代目有楽亭八雲を岡田将生が70代まで演じること。『わろてんか』で喜楽亭文鳥を演じた笹野高史で年齢的には丁度いいぐらい。
しかしドラマを見ると不安を吹き飛ばす仕上がり。落語そのものは名人かといわれると違うとは思いますが、そこは本物の名人でなければ難しいのでおおめに見ましょう。

 

内容もさることながら『昭和元禄落語心中』が興味深かったのは通常放送は22:00〜22:45のところ初回は25分拡大だったこと。民放ドラマではよくあるパターンで、NHKでも大河の初回、最終回でよく延長しますが、それ以外のNHKドラマではめずらしい。
6月放送の土曜ドラマバカボンのパパよりバカなパパ』も初回拡大73分でしたが、あちらは通常は28分なので3話分、民放の2〜3時間スペシャル的イメージ。

初回に限らず、最近はよくドラマの放送延長があります。スペシャル感を出したいというのがそもそもの理由でしょうが、実利的には他局がCMの間に放送するのでその間に視聴率があがるという理由があるようです。NHKの意図は前者か後者か?

しかしドラマの放送時間をフレキシブルに変えるということについてはNHKは実は先駆者です。1975年から始まった土曜ドラマは基本70分だが内容によって延長。初期の代表作、山田太一脚本『男たちの旅路』だと70分、75分、車椅子の障害者をテーマにした『車輪の一歩』が90分、最後のスペシャルが120分とばらけています。

 

 

時代は下って2017年から土曜ドラマは28分放送になりました。朝ドラが放送時間1日15分で好評なのに対し、1時間の連続ドラマはもう一つ。Youtubeなど動画がよく見られる現代は短い方がいいんじゃないか?という試みのようです。ただ見ていて、正直食い足りないと思うことが多いですね。

これからの土曜ドラマ、10月20,27日の前後編で北川景子主演『フェイクニュース』は49分x2。来年1月から放送の森絵都原作、高橋一生永作博美みかづき』は学習塾経営三代の物語で出版されたときから朝ドラにしたらおもしろくなりそうなテーマだと思い、また高橋一生も「朝ドラで再ドラマ化希望」といっているぐらいのボリューム。全5話と発表されていますが、放送時間は不明。一部を切り出してドラマにするとして一話28分ではきつそうで、これも長くなるんじゃないでしょうか。