ドラマ・クロカイブ

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野島伸司は『てるてる家族』を見たか

日本テレビ系水曜ドラマ『高嶺の花』、主題歌がプレスリーの「ラブ・ミー・テンダー」で第一話劇中でも直人(峯田和伸)がカラオケで歌い、もも(石原さとみ)が「あっ、この歌好き」とのセリフがありました。石原さとみ、そりゃ「ラブ・ミー・テンダー」好きだろう、と石原さとみの朝ドラヒロイン作『てるてる家族』のファンなら思ったでしょう。

てるてる家族』は昭和の名作詞家・なかにし礼が原作だからか、昭和歌謡とオールディーズの洋楽を散りばめたミュージカル仕立てが特徴。その中でも「ラブ・ミー・テンダー」は重要な曲で、ローリー(杉浦太陽)がよく歌い、最後のクライマックスでは和ちゃん(錦戸亮)がローリーから教わって、冬子(石原さとみ)に愛を告白するため翼をつけて吊りで歌い、ジャニーズか!ジャニーズだよ!と印象を残しました。

野島伸司脚本作品『人間・失格』でサイモン&ガーファンクル「冬の散歩道」、『未成年』「未成年」でカーペンターズ「青春の輝き」、『ストロベリー・オンザ・ショートケーキABBA「チキチータ」と洋楽をよく使うのでそれだけなら偶然かもしれません。

しかし『高嶺の花』は主演・石原さとみに加えて異母妹が『べっぴんさん』芳根京子に義母『ええにょぼ戸田菜穂と家族の女性がみんな朝ドラヒロイン。相手役の峯田和伸も『ひよっこ』の叔父役と朝ドラを意識したキャスティングです。

最近の民放ドラマは朝ドラのヒロインだけでなく脇役俳優も認知度が高いとされてよく使われる傾向にあります。この傾向が最も強いのがTBS系日曜劇場『この世界の片隅に』。19人の主要登場人物中、朝ドラヒロイン経験者2人(榮倉奈々尾野真千子)。『あまちゃん』以降の朝ドラ出演12人,出演してない5人です。逆に朝ドラ出てないのに父親役に抜擢のドロンズ石本、よほどスタッフが使いたかったんだなと思ってしまいます。

そんなこんなを考えると「この歌好き」といったのは、そんなにみんな朝ドラ好きなんだったら、と折り込んできたのではないかと予想します。

 

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