ドラマ・クロカイブ

AllAboutドラマガイドが書ききれなかったことをつづります。

『ひよっこ』岡田恵和の立てこもり

ひよっこ』で倒産した向島電機、最後の大きな事件は兼平豊子(藤野涼子)の立てこもり。岡田恵和脚本は立てこもりが好きで、朝ドラの前作『おひさま』でもありました。
真知子(マイコ)は「安曇野の帝王」と呼ばれる資産家の父親(平泉成)の命で卒業後は許嫁と結婚することになっていましたが、陽子(井上真央)の兄・春樹(田中圭)を慕う真知子はそれを拒否。家出して陽子と二人で便所に立てこもりました。

これのオリジナルは山田太一脚本の『想い出づくり。』は当時の結婚適齢期・24才になった三人(森昌子古手川祐子・田中裕子)が結婚したら夢がなくなると思い、その前に「想い出をつくろう」とする姿を描いた山田太一脚本の名作です。
最大の山場が結婚式前の立てこもり。佐伯のぶ代(森)はお見合いでレストランやガソリンスタンドを経営している中野二郎(加藤健一)と結婚することになるが、違和感がつのった挙句、久美子(古手川)・香織(田中)とともに結婚式場の控え室に立てこもってしまいます。
岡田恵和は『想いでづくり。』好きなドラマナンバーワンで脚本を書くためのバイブルとまでいっています。

1999年の岡田脚本『彼女たちの時代』は深津絵里水野美紀中山忍の三人娘で明らかに『想い出づくり。』リスペクト作品。最後に「こんなことがあるかも」と結婚式立てこもりのイメージシーンがでてきました。

他に岡田脚本の立てこもりというと『最後から二番目の恋』で長倉万理子(内田有紀)が自分の部屋に立てこもり(立てこもる前から引きこもり気味だったが)。
原作はジョビジョバの舞台ですが映画『スペーストラベラーズ』は銀行強盗の立てこもりです。

後、たてこもりというと歴史ドラマでの籠城戦でしょうか。岡田恵和、まだ時代劇は書いてないと思いますが、やりませんかね?